2021年8月19日木曜日

楕円型展開車輪を用いた階段昇降ロボット

 
 これからの高齢化社会において社会インフラの整備は急務であるが現状の社会基盤を急速に対応させることは困難です。公共施設では順次インフラの整備が進みつつあるが一般の施設や建物の対応は十分とは言えません。特に対策が必要なこととしてバリアフリーの問題があります。公共施設においてはエレベータの設置や既存の階段にリフトを設置するなどの対策が進んできていますが、実際にはそれ以外の環境においては様々な障害が存在しています。たとえば歩道と車道の縁石など、ちょっとした段差があるだけでも介助者なしでは横断は困難となります。また老朽化により改修の計画が進まない施設なども多数あり高齢者などの自律した生活を困難にしています。
 従来の移動ロボットでは段差を乗り越えるとき、脚やクローラーを用いる事が一般的ですが、脚の場合は機構が複雑で実用には適していません。クローラーはある程度実用化されているものの平地での走行では車輪型の方が走行性能にすぐれいます。表題のロボットは平地走行時には車輪の走行性能を持ち、段差乗り越え時に車輪を変形させて対応させることができます。車輪が変形する機構は若干複雑になるものの脚やクローラーに比べ十分実用的な移動方法と言えます。
 現在このロボットの応用として車椅子に取り付けて、段差乗り越えや階段昇降可能な移動支援装置の開発を行っています。

試作予定の楕円型展開車輪を用いた階段昇降ロボットCG画像
(イメージ図)
 
階段昇降ロボットの操作デモ動画

プログラム開発中のテスト動画